リーンソフトウェア開発 - 無駄をなくすには?
リーンソフトウェア開発には、リーン生産の原則と実践をソフトウェア開発領域に適用することが含まれます。リーンの重要な原則のひとつは、無駄を省くことです。しかし、ソフトウェア開発用語で無駄とは何で、どのように省くことができるのでしょうか。そして、無駄を省くことによってどのような価値がもたらされるのでしょうか。
リーン原則のルーツは、トヨタ自動車のリーン生産方式にさかのぼります。製造業が自動車メーカーの成功に不可欠であるように、ソフトウェア開発はデジタルトランスフォーメーション・イニシアチブの重要な実現手段なのです。
リーンソフトウェア開発には、リーン生産の原則と実践をソフトウェア開発領域に適用することが含まれています。このアプローチは7つの原則に要約することが可能で、リーン生産の原則と非常に近い概念を持っています。:
- 無駄を省く
- 学習効果を高める
- できるだけ遅く決める
- できるだけ早く届ける
- チームに力を与える
- 誠実さを築く
- 全体を最適化する
本記事では、その原則の第一である「無駄を省く」について説明します。NashTechがソフトウェア開発の無駄を省き、クライアントに付加価値を提供するためにどのように取り組んでいるのかを見てみましょう。
ソフトウェア開発における無駄の定義
無駄をなくすためには、それが何であるかを知らなければならなりません。リーンの哲学では、顧客に付加価値をもたらさないものはすべて無駄とみなされます。もし、ある活動が迂回できるものであったり、その活動なしでも結果が得られるものであれば、それは無駄ということです。
以下はすべて無駄と定義されます。:
- 最終的に開発過程で放棄される部分的なコーディング
- 追加機能 – 書類作成やクライアントが導入しなかった機能など
- タスク間で人を入れ替える
- 他の活動やチームを待つ
- 仕事を完了するために必要な再学習
- 欠陥と品質低下
- 真の価値を生み出さない管理間接費
もちろん、これは網羅的なリストではありません。ソフトウェア開発における無駄について考え始めると、排除できる活動がたくさんあることに気付きます。さらに私たちは、自分たちだけでは無駄の排除に取り組めないことにも気づいたのです。
パートナーシップはなぜ無駄を省く鍵なのか?
ソフトウェア開発プロセスにおける無駄とは何かを理解することと、無駄の発生源を突き止めて排除することは別物です。私たちは、多くのソフトウェア開発プロジェクトを通じて、お客様との緊密なパートナーシップが無駄を省く鍵であることを学びました。
クライアントが必要としているのは以下の2点なのです。
- 無駄の定義を理解する
- 無駄をなくすために必要なアプローチの小さな変更を受け入れる
リーン思考を採用することは、私たちが共に歩まなければならない過程なのです。これは、NashTechがスムーズなデリバリーを実証することで築いた信頼と信用を活用し、プロジェクト全体に影響を与え、改善を促すことを意味します。
早期で無駄を排除する計画を練る
無駄の原因の多くは、要件や技術アーキテクチャの議論や計画など、ソフトウェア開発プロセスの初期段階で動き出します。
このような初期のプロセス(製品が定義されつつある時期)は、それ自体が無駄となる可能性があるのです。開発チームにとっては、納期が遅れたり、不完全な状態で納品されることもあります。
そして、以下の後の段階で無駄を生む問題を抱え込むこともあります:
- 手直しの必要性
- 不必要な複雑さ
- 部分的に完了した作業のブロックにつながる可能性のある広範な依存関係
早期で無駄を排除する計画を練ることも大事ですが、リーンのもう1つの原則は「できるだけ遅く決めること」であるのを忘れてはなりません。
これもまた、早い段階で製品を過剰に定義しようとすることを避ける理由です。
不測の事態に備える
実稼働中のアプリケーションの日々の運用が、開発チームに急な負担を強いる可能性があることを排除すべきではありません。
不具合はそれ自体が無駄の元であることは述べましたが、本番用のバグ(たとえそれがミッションクリティカルなものであったとしても)がスプリントチームに影響を及ぼすと、それに伴う再学習やタスクの切り替えが、さらに無駄を生むことになるのです。
一般的なプロジェクトでは、設計と運営の機能はクライアントのチームにあることが多いです。これは、なぜ無駄をなくすことが共同目標であるべきなのか、そしてそれに取り組むことが共同活動であるべきなのかを、エンゲージメント全体にわたって示しています。
チームとして私たちと働くと:
- 完璧に近い初期ストーリーを、依存関係を制御して優先順位を慎重に設定しながらスプリントに計画します。
余分な機能や不必要な複雑さも排除します。 - 生産上の問題によるやむを得ない中断を可能な限り軽減します。
– つまり、コード開発、テスト、デプロイメントにおける無駄を省くことができるのです。
スクラム・アジャイルフレームワークの適用
スクラムのアジャイルフレームワークを開発チームに適用するということは、少なくともある程度は、上記で指摘したソフトウェア開発の無駄をすでに防いでいるということです。
チームが中断することのない2週間が保証されるのが理想です:
- 自分の時間を管理する
- 経営陣の過度な関与を避ける
- 自分たちのキャパシティを超えない範囲で見積もられた仕事量について、事前にすべての質問と依存関係に答えてもらう
- スプリント内の納品に完全にコミットし、最後に部分的に完了する作業を避ける
チームがタスクの完了に集中できるよう、仕掛かり作業に制限を設けることもできます。チームメンバーのスキルの過剰専門化を避けることは、他のリーンの原則を支える実践であり、ここで役立ります。
もちろん、リーンソフトウェア開発の原則をサポートするこの理論上の完璧なスプリントを達成するのは極めて困難です。言えることは、スプリントやその理想、プロセスは、知識豊富で自己主張の強いスクラムマスターによって守られなければならないということなのです。
まとめ
アジャイルとリーンソフトウェア開発プラクティスの利点は、達成するのは簡単に見えるかもしれないですが、現実の世界での取り組みではかなりつかみどころがないものです。継続的な改善というアプローチは、現在地から明日あるべき姿へと導いてくれるものですが、それには決意と理解が必要となります。また共通の問題に取り組み、共通の目標を達成するためには、パートナー間の信頼とオープンな協力関係が需要です。信頼や協力関係がなければ、リーン生産方式による「無駄」の定義に当てはまることになりかねないのです。
より詳細を知りたい場合は…
NashTechのリーンソフトウェア開発のアプローチについて詳しくはソフトウェア開発サービスをご覧いただくか、
info@nashtechglobal.comまでメールでお問い合わせください。
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